半ドン、新年

イナダやワラサがブリの幼魚だったなんて、はじめて知りました。
そういうことって、わりに知らないよね。
イナダもワラサも非常に美味しい魚だと思うけれど、ぼくはブリをあまり好きではない。

明けましておめでとうございます。
年末から体調を崩し、お正月は一歩も外へ出ることもなく寝込んでいました。布団のなかでツルゲーネフの「はつ恋」と手嶋龍一の「ウルトラダラー」を交互に読んでみる。治らない。
海を飛ぶ夢」を観たりする。

四日目を過ぎて、やっと快復し、ぼちぼちと家族や友人に新年のご挨拶をする。
ひどく遅れて初詣にも行った。
ぼくはひどく出不精、というか、余分な外出に時間を割くのが嫌いなのだけれど、季節モノの行事は大好きなので、雑踏にもまれようが、貴重な一日が潰れようが、一年に一度のイベントごとは、多いに堪能させていただく。人日の七草粥も好きだし、Thanksgiving Dayのターキーも好きである。両日とも何に感謝する日なのか知らないので、蒙昧な信仰ではあるけれど。
ただ、季節モノのイベントに意味性やイデオロギーを勘定に入れて是非を判断することもないんじゃないの、とぼくは思う。
もっぱら日本ってゆるい国だし。

クリスマスには華やかなイルミネーションの下を闊歩して、プレゼントを交換し、お正月はお雑煮を食べて賀詞を述べ、凧を引っ張りまわして バレンタインにはチョコレートを食いまくればいいのである。年間を通して宗教的理念がなく、かつ思想的にかなりアバウトな(というか無思想マインドな)この国は非常に住みやすいし、何より愉快じゃないですか。

文化的にも、宗教的にも、ここまでフレキシブルな国って、そうはないよ。とくに日本人のダイナミックな言語感覚は本当に凄まじい。
シュークリームは仏語の「chou シュー(キャベツの意)」と英語の「cream クリーム」の造語だし、プチトマトとか、パンチラとか、ドタキャンとか、満タンとか、フリーターとか、驚愕の言語的創作だと思いませんか。日本すごい。

というわけで、12月から1月にかけて、世間は行事盛りシーズンであるので、わりとうきうきして外出するのである。
セールもあるしね。
今年もよろしく。