ニュートラル、色

10月のレコ発、11月の天国イベントを終える。
備忘のために先月と今月の観たものなど。
10月の国吉亜矢子さん、11月の天国さん、良かった。

丸山直文
まぁまぁよかった。距離がなくて、ぽつぽつとした調和があって。音楽的っちゃあ音楽的。

モーリス・ルイス
いや、行ってないけど。行かないと。

山口薫

行かないと。

■エモーショナルドローイング展
行ったけど展示期間終了していた。

ほとんど何も見れてないじゃねーか・・・

ぼくの作曲は、良い絵を観たり、良い本を読んだり、素敵な女の子とデートしたりしてはじめて涵養されるシステムなので、もっとアクティブに生活しないと全然良い曲想が浮かばない。
それでも新曲を書きました。新しくなんかないけれど、新曲は新曲だ。最近、寡欲なほどにストイックな生活をしているので、恐ろしくハッピーな曲です。恋の歌。シューベルトなんて聴きながら書きました。ハッピーな曲です。
出来上がると、実はライヒのような曲が作りたかったことに気付く。
形となった作品は往々にして、自分の意思とは少し離れた場所に根っこを張る。でもこの「こんなつもりじゃなかった」的乖離があるかぎり、音楽を続けるモチベーションは失効しないよ。たぶん。
と思ったら、半年前にも同じようなこと書いている。
備忘のためといいつつ、一体ぼくは何をショウオフしようとしているのでしょうか。

次。
後日追記:
モーリスルイス@川村記念
良かった、すごく。 アルバムを通して聴くと見えてくる風景のように、作品を一望してみると、展示室はとても清潔で深閑としている。 寂しくない。カラフルな森。もっと見たい。
もっと見たいと思う絵を久しく見ていなかった。 悲劇的に遠かったけれど、行ってよかったな。常設展もゴージャスだったし。 しかし川村記念って良いところだ。むかーし行ったきりだったけれど。何か、追懐の情をふつふつ感じるような、池があって、紅葉した木々が茂っていて。 明かりも慎ましくて。
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遅いけど、オバマさんおめでとう。
でもこの人、利己的に見えないほどに利己的なふるまいをする気がる。つまり、オバマさんが格差のない平等なアメリカを望めば望むだけアメリカの国際的孤立化は終息しない。(と思われる。)将来的に。ブッシュはともかく、なんでアメリカはニュートラルで中間的な人選をしないかね。

次。


「何かよくわからないけれど、もっと別の物語が隠されている気がする・・・」と思わせる曲が書きたい。別にぼくら自身がそれをサジェッションする必要はないし、作者の意図なんてどうだっていいのだけれど、そのような「聴こえないけれど、他にも何か鳴っている気がする」曲を作りたい。倍音のように身体に少しずつ響いてくる何か。読み取れない、聴き取れない何かにこそ抑え難く、人の興味は惹きつけられるものだから。

なので、新しい曲の登場人物には名前があり、生業があり、生い立ちがある。そういう物語の輪郭をひとつひとつ書き込む。(歌詞や五線譜には書き込まない。妄想してにやにやしているだけだが。)そんなんで曲に厚みが出るわけねーだろ、バカじゃないの?と思われるかもしれない。でも、そういった物語の温度が、発声やピアノの質感に滲んでくるんだこれが。(と世界の黒澤は言っている。)

音を聴いてふむふむと頷ける曲や、文章を読んで合点がいく書物には知性の躍動を促す効能はない。自分の知っている(でも気付いていない)ことを表面化させるだけである。スッキリして気持ちよくなって。譜面化していない音に気付いて、文字化されていない行間を読むとき、はじめて世界は色づいて、至福の瞬間が訪れるのだと思う。


今月は本をまとめて読んだ。

カミュ「幸福な死
橋本治桃尻娘
埴谷雄高死霊
高橋源一郎ぼくがしまうま語をしゃべった頃
カルロス・ルイス・サフォン風の影

頭が痛くなったのでコールドプレイなんて聴いちゃう。
Viva la vida ピース。