ブロッコリー
スーパーで食材を物色していると幼児が「ブロッコリー!ブロッコリー!」と狂気の蛮声をあげていたので、「ここだよ、ほら」とブロッコリーの在り処を教えてあげたら、「あぁ」と2オクターブぐらいトーンダウンした返事が返ってきた。だからこどもは嫌いなんだよおれは。
尿意
猫がおしっこするとき、最初はそろそろと砂を掘ってるのだけど、途端に掘る速度をあげて焦りだす。なんだか、尿意を我慢しながら家路に着く人間と似ている。
悪意
悪口は無根拠でも発信できるけれど、褒めることは無根拠では出来ない。だから、世間では賛辞より悪罵をよく耳にするし、悪意の飛距離はいつだって果てがない。
想像力
小さな子供のクレヨンの箱を見ると、肌色だけ著しく減っている。ひどく虚しい気持ちになる。
服
ユニクロで洋服を買う。近年とんと服を買わなくなった。「服装なんて、人間にとって二次的な記号でしかないし、くだらんイデオロギーに繋縛されたくねぇ。」というわけではもちろんなくて、ただ金がないだけである。
ただし、洋服の持つ記号の意味は、自己主張、個性への希求なんかではないよ。「ひとにどう見られたいか」その一点に尽きる。本当の「私」とは、「他人から見た私」の集合体であるので、汚い格好しているやつは、じぶんが汚い人間であることを許容しているということです。たぶん。